描くということ

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絵を描くということは、

一切の浮力を捨てて海の中を漂うことに似ている

 

見えもしない海の底、もちろんどこまで続いているのかもわからない

光で照らしたところで底は見えないだろう

激しく引き摺り込まれるわけではないが、浮き上がることもない

ただ身を任せて下に下に潜っていく

つまり、絵を描くってそういうことだった

自分の描く曲線は、底に向かっていく軌跡なのであった

 

今は、さまざまなことから明確に抜け出したい、という気持ちがある

これまでとは逆向きの運動で、海の底から水面に向かって泳いでいかなければいけない

わかりきっている答えからみずからを放つということ

 

絵を描いたか描かなかったかに主軸を置いてその日一日を振り返るようになって久しい

描かなかった日は不安になる 焦燥感 うまく漂えなかったという絶望感

 

水面に向かって泳いでいるときは、

ペン先が引っかかるし手首もギクついてうまく動かない

描く行為の何と苦しいことか

 

おわり

展示のお知らせです

8月になりまして、次の展示が近づいてきたのでお知らせさせてください。

 

 


【が・らんふparty展リターンズ】

 

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私が2014年まで通っていたアトリエが・らんふの作品展に参加します。

新作を展示いたします。

 


今の自分があるのはが・らんふのおかげ。が・らんふは私の人生を大きく変えてくれた存在です。人生を拾ってもらったと言っても過言ではありません。

 


私の作品を見に来て!という気持ちより、ただ、足を運んでくださるあなたはとてもラッキーです、と断言します。

5年ぶりの開催を実現してくれた美夢ちゃんに心から敬意を表します。

 


▶︎

障がい・年齢の有無を超え、誰もが参加できる「アトリエが・らんふ」

主宰者の川原里依子が亡くなり、最後の展覧会から5年・・・

生徒たちの作品が再び集まります!

8月28日(水)~9月1日(日) 10:00~18:00

(最終日16:00まで)

会場:西宮市甲東ホール展示室

入場料:無料

デザイン:こんよりこ

後援:西宮市クラブファンタジー神戸女学院大学音楽学部同窓会)

協力:創造集団ちいさなクルミーノ

主催:アトリエが・らんふ

 

 

 

また、が・らんふparty展は川原里依子先生の娘で高校の同級生である、川原美夢さんの自主公演と同時開催されます。

こちらも是非、観に来てください。とても楽しみです。


記事も是非!

障害者にアート伝えた亡き母への思い、5年越しに結実 兵庫・西宮で作品展&ダンス公演 - 産経ニュース

▶︎

コンテンポラリー・ダンスで観る「蒼い森」

川原里依子の遺作「蒼い森」シリーズの絵画たちと詩をもとに、彼女の人生を紡ぐ。

8月30日(金) 18:00

8月31日(土) 13:00 / 17:00

(各公演30分前開場)

会場:西宮市甲東ホール

入場料:一般2,500円/ 学生2,000円/ 障がい者500円/ 介助者(1名まで) 1,000円

※全席自由

青色

なにがどう転ぼうと青色

生きてきて ピンク大好き!黄色大好き!とはなりませんでした

真偽のほどは不明だけれど、せっかくなので理由を自分なりに考察してみようと思う

 

その1
自分の本名が全体的に水っぽくて色で説明するなら青だと思うから

その2
物心がついてからの人生の大半を水のそばで過ごしてきたから
実家は河口そばで
留学した先も五大湖のすぐそばでした
いま暮らしている場所もそれなりに海が近い

その3
シンプルに青色が似合うから
自己判断だけれど、わたしのパーソナルカラーはブルーベース冬です
青みがかった色でないものを身につけるとかなり浮いてしまうのです
「まあネイルぐらい大丈夫だろう」とオレンジなんざ選んだ日には確実に浮いてしまいます
逆にどれだけ複雑な柄の服でもでも青色が少しでも入っていればなんとか馴染むのである

その4
日々過ごしていて、青い景色やものが何かと印象に残ることが多い
持ち手がウサギの形の青い縄跳び
文字盤がキラキラした青い時計
青い孔雀の形をした花瓶
国立国際美術館で見た、Boltanskiの青い電飾で囲われたシャツ
シアトルの深い青色の海
もっと夏夏しく、エメラルドがかった青色のサンフランシスコの海


私の身に起きるドラマチックには、いつも青色が寄り添っている気がするのです


終わり

ような気がした

この文章の大半には、「ような気がする/した」をつけるべきであろうとは思います

 

私の作品は、とても賞味期限が短い

描き終わった瞬間、すでに過去のものとなってしまうのであった

二つ前に描いた絵とか、めちゃくちゃ古い

 

今回の個展で額に入れて展示したのは、「喋ってる絵」たちでした

 

もちろん絵は物理的に声を発して喋るわけではないので、全ては完全に作者の主観なわけですが

喋っていない絵たちは、額に入れて展示するのは違うなと思っていました

 

個展に向けて制作した作品が、初期のものなんてどんどん古くなっていくわけです

2017年の作品がありましたが、奇跡に近いと思います

お前!まだよく喋ってくれてるな!すげえなお前!

 

例えば

個展が近づき宣伝に身を入れ始めたタイミングで

歳が近い知り合いが 自ら虹の橋を渡ってしまった

 

途端、ぱったりと絵が話してくれなくなった

「基本的には私もオマエもいつか死ぬねんで」を描いているにも関わらずです

 

展示するつもりなのにまったく喋らなくなった絵の群れに囲まれ過ごす数日間は、苦痛と恐怖しか感じませんでした

 

さまざまなことを考えているうちに、ポツリポツリとまた絵が喋り始めたので

一人暮らしの部屋で絵を、梱包し、会場に持っていきました

 

もう一度絵と対面したときに、

まったく絵が話してくれなかったらどうしよう

ということを一番恐れていたのであった

 

けれども、私の絵たちは私よりも話し上手でいてくれました

少なくともあの3日間は

 

基本的には私もオマエもいつか死ぬねんで

わかっているようでわかっていないのです、きっと

決して抗えないし、でもうまく言葉にはできないし、いつまでたっても胸を突くから描くんだよな

 

 

終わり

波音に浮かぶ コンセプト

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私の描く絵の普遍的なテーマとして、「死に行き着くことへの諦念」があります。
死は一見、まるで世界のすべての音を吸い取ってしまうほど、
暗く、底のない喪失に思えます。
しかし、花が枯れ落ちた後の余韻のように、
死んだ後も生命の残響は私たちに纏わりついているのです。
残響は、時には遠くなり、時には近くなり、揺らぎながら生命に纏わりついています。
私にとって生きていることは、その残響を漂っているだけに過ぎません。
私が描いた絵と共に、生命の残響を聴いてくだされば幸いです。

 

Acceptance of inevitable death is a major theme in my art.

Death seems to be a dark and bottomless void that erases all sound from the world.

Yet, even after death, echoes of life surround us like the quiet reverberations after the petals wilt from the flower and fall to the earth.

These whispers cling to us, at times drifting closer and at others further afield.

For us, living is just drifting on these murmurs.

I will be happy if you catch them and enjoy my artwork.

 

 

個展のご案内

来たるゴールデンウィークの後半3日間に、

初めて個展を開催するのでそわそわ落ち着かないです

あと一週間

 

私の絵は私よりも話し上手です

 

どなたでも気軽にお越しくださればたいへん嬉しいです

 

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大河原波子 個展 波音に浮かぶ

日時 2019年5月4日(土)-6日(月)
12時-20時(最終日は17時まで)
場所 ギガンティアルーム
542-0086大阪市中央区西心斎橋1-6-26 2F
御堂筋線/長堀鶴見緑地線 心斎橋駅 7番OPA出口から西へ5分
四ツ橋四ツ橋駅から東へ5分
JR/近鉄&阪神/南海 難波駅 24番出口から北へ10分


Float on the Sound of Waves

May 4th (Sat)- 6th (Mon) 2019
12pm-8pm (12pm-5pm on 6th)
Gigantea Room, located in America-Mura
1-6-26, Nishi-Shinsaibashi, Chuo-Ward, Osaka-shi 542-0086
Easy to access from Shinsaibashi station, Yotsubashi station, and Namba station