血となり果てるまで

「音楽を聴く」よりも「音楽を流し込む」と表現するほうがしっくりくる。


自分の頭からつま先まですべてがその曲で満たされて、体内をぐるぐると循環しはじめ、そのことがまったく気にならなくなるまでー普段、身体中を血液が循環しているのと同じように、ほぼひたすら、決まった曲を聴く。


なにひとつ乱されず、その音楽がどんなリズムであっても自らの鼓動と一体となるまで、身体に流し込み続けている。

 

…そんな音楽の聴き方をするようになったのは最近のこと。

 

もちろんプレイリストをランダム再生して聴く日も時々あるけれど、決まってハメを外しているような気分になる。以前はそういうふうに感じることなんてなかったのに。

 

今の自分にとって、音楽を聴くのは、心を横たえるための行為なのかもしれない。